アラレタマキビの雌雄差

とにかくタマキビ類に魅せられた小5女子が、アラレタマキビの
生きたのを何個体か持ってきました。

縦も横も長さは5~6 ミリメートルほど。
大人になっても非常に小さいのがアラレタマキビです。

これを解剖したいというのです。


そのわけは、産卵の実験をする時に、雄と雌とが外見、つまり
殻の形で見分けられれば、ひじょうに便利がいいからです。


まず今日、実験材料としたアラレタマキビを並べた写真をごらんください。

雌雄の区別を書いていますが、これは後ほど解剖した結果から
わかった情報です。


sizeretouchDSC_9371.jpg


数が少ないのでなんとも言えませんが、オスが小さい傾向がある
かもしれません。

それ以外の違いはないようです。


続いて、上の写真の下段の右側の2つの個体を解剖し、軟体部を示した
写真です。


sizeretouchDSC_9378.jpg


左がメスで、右がオスです。

右の個体に、雄性生殖器つまりペニスがあるのがおわかりでしょうか。

そして、左の個体は黄色い卵巣を、右の個体はやや乳白色の精巣を
もっているのがおわかりかとおもいます。


解剖の結果から雌雄がわかっても、殻では区別がつかないことが
わかりました。


厳密に殻を調べれば雌雄のそれなりの区別点がわかるかもしれませんが、
今の段階ではお手上げです。


ともあれ、小学校の5年生の女子が、アラレタマキビを自分で解剖し、
双眼実体顕微鏡で軟体部を観察して雌雄の違いを認め、今後、
貝殻の形にその性差があるのかどうかを家族でじっくり調べると
いうことです。


この家族は、ご両親がたいへん自然や生物に対する好奇心が強く、
また探究的な姿勢が感じられます。

今後家族一丸となって調べていこうという強い意志が感じました。


こういう環境で、子どもは育つのでしょうねえ。


スポンサーサイト

カイエビ類の分布速報

中学生がお母さんといっしょに調べた内容を、マップにして
おきました。

ただし、ちゃんと聞いていないので、落ちがあるはずです。
それについては、今後彼女がまとめるものが正しいはずですので
修正したいとおもいます。


また、今日、急遽、廿日市市、佐伯町、大野町をいっきにスクーターで
回り、目に付いたものも記入しておきました。

佐伯町の友和、津田では、カブトエビも、ホウネンエビも、カイエビも
まったく見られませんでした。

よく見ると、山からの水を田に引いている場合がほとんどで、水温が低く、
発生条件がそろっていないようにおもいました。


ぶんぷず


姫がヒメカイエビ、玉がタマカイエビ、刺がトゲカイエビ、そして貝が
カイエビです。

また、甲はカブトエビを示しています。

予想以上にカブトエビが見られず、意外でした。


ホウネンエビはけっこうあちこちに見られたということですので、
図には入れていません。

だんだんと彼女らの活躍で、県内の分布がわかってき始めました。



西表島わくわくサイエンスキャンプ 説明会

ボランティアによる市民団体である広島干潟生物研究会が
西表島キャンプを企画し、1月に案内を作り公募したところあっという間に
定員いっぱいの応募がありました。

宿舎や航空券のことがあり、早い募集になりました。

ようやく先日の日曜日の19時から、公民館の和室を借りて説明会を
開きました。


手つかずの大自然やそこに棲む生物を直接体感してもらい、今後
彼らがいろいろな立場でいろいろな場面で自然や、その保全、あるいは
まったく違う環境においても、そこにすむ生物やそれをささえる環境に
ついて、適切な理解や判断ができるようにしてもらおうという企画です。

たんに、「南の島にはいろいろな生物がたくさんいるよねえー。」で、
済ませたくないというのが本音です。

そのため、旅行の目当てとか目標、あるいは一番体験したいことなどを添えて
それぞれ自己紹介していただきました。


開始前のようすです。

sizeretouchIMG_5737.jpg


これは自己紹介の最中でしょうか。


sizeretouchIMG_5742.jpg


しおりを中心にしてひととおり説明した後、スライドを映写して
現地のようすを映し出そうと考え、前の日にがんばりました。


ところが、なんと、その画像を入れたパソコンを置いてきて、
同じ型の別のパソコンを持ってきてしまいました。

というわけで、最も見てほしかった現地の様子や生き物たちを
お見せできませんでした。


大失態でしたが、翌日、そのパワーポイントの画像をpdfに
ファイル変換してメールでお送りしたところ、ほとんどの方から開くことが
できたという返信があり、ほっとしています。

開けなかった方には、紙に落としてお届けしようとおもいます。

大変に失礼しました。


この説明会で参加者が一同に顔合わせし、しおりとパンフレット、それに
バッグにつけるタグをもらい、一気に現実味が帯びてきました。


宿題も出していますので、子どもたちなりに事前に学習を積んで参加して
くれることでしょう。


女子中学生とお母さんの田んぼ探検

女子中学生2人が、ミジンコ類を対象に科学研究をしています。

詳細はいずれまたお伝えすることになるとおもいますが、速報を
今日は載せておきます。


中2のIさんは、お母さんとともに、この日曜日に、県内外のあちこちの
田んぼに車で出かけ、ミジンコ類の調査をしました。

東は東広島市、本郷町、三原市、福山市まで進み、南は黒瀬町、
北はなんと北広島町からさらに北上して島根県の邑南町まで一気に
調査したのです。


それぞれの地点で数十枚の田を観察したとのこと。
そのバイタリティーに敬服します。


昨夜、そのデータと採集したミジンコ類を持ってきました。


その結果、

1 東広島市と福山市のカイエビは、トゲカイエビであった。

2 黒瀬町のカイエビは、トゲカイエビではなくいわゆるカイエビであった。
 
3 三原市では、変わったカイエビが見つかった。

4 各地でホウネンエビはけっこう見つかったが、カブトエビは
 観察した田ではまったく見られなかった。

5 中国山地の田は、水が透明で水温が低く、ミジンコ類も
 ホウネンエビ、カブトエビ、カイエビ類はまったく見つからなかった。


お二人から聞いたところによると、ざっとこんな感じです。


そこで早速三原市で採れた変わったカイエビを双眼実体顕微鏡で
観察すると、これまでに見たこともないカイエビであり、おそらく
タマカイエビであろうということになりました。

体全体が球状であり、顔を殻から常に出している点で、ほぼ間違いないと
おもわれます。


これが生きたタマカイエビの写真です。

実際には高速で回転していますので、普通に撮ったらぶれぶれでしょうが、
ストロボで写し止めましたので、遊泳脚を出して必死に?泳いでる様子が
うまく撮れました。


sizetrimretouchDSC_9333.jpg



広島県の分布状況が私にはわかりませんので、なんとも言えませんが、
ひょっとしたら県内初記録かもしれません。


カイエビ類の分布がこうして次第に明らかになってきました。

ひじょうに興味深いことです。


ともあれ、お二人にはお疲れ様でした。


もう一人の研究者もちゃんと結果を出しており、やはりお母さんと出かけ、
アオムキミジンコを近所で見つけていたのでした。

二人とも、期待できますねえ。





セトウチマイマイの歯舌

朝早く(わたしにとってはということですが)、電話が鳴りました。

あるテレビ局の方からです。


「梅雨にちなんで、カタツムリを撮りたいのですが、、、。」

「わかりました。採っておきましょう。いつ放映予定ですか?」

「あさってです。」

「ええっ。」

と目が覚めました。



とりあえず、教室で飼育中のサンインマイマイと、近所の畑にいつもいる
ウスカワマイマイは提供できるとして、広島で最もポピュラーな
セトウチマイマイを外してはいけないでしょう。


ということで、鞄をタッパー容器に持ち替えて近場の目星をつけていた
ところに歩いて出かけました。


すぐに、セトウチマイマイを2個体ゲット。

うち、1個体はきれいな模様が出ていますので、テレビ映えすると
おもいました。


続いて、どういう展開の番組になるかも知らないまま、カタツムリと
同じ仲間のナメクジ、また、近年どんどん都心に分布を広げている
オカチョウジガイの一種も連れて帰りました。


聞けば、カタツムリに関するうんちくも入れたいとのことでしたので、

「歯舌は外せませんねえ。」と言ったのが運の尽き。

「それ、ほしいです。」

「わかりました。」

ということで、今日の午後はセトウチマイマイを解剖し、歯舌を取り出し、
苛性ソーダできれいに洗浄し、プレパラートをつくり、マクロ撮影、そして
その後、顕微鏡撮影と相成りました。


まずは、セトウチマイマイの歯舌の全体像の写真を示しておきましょう。

こんなおろし金のようなのが口の中に入っていて、エサの葉っぱを
ゾリゾリこさげて食べているのです。



sizeretouchDSC_9261.jpg



次に、これが顕微鏡で撮った歯舌の一部です。

小さい歯が縦横に整列しています。


sizeretouchDSC_9273.jpg




拡大すると下の写真のような感じで、
1個1個の小歯が整然と並んでいます。

中央歯だけが左右対称で、左右の側歯は内側に向かって生えています。
下の写真で、中央歯の列がどこかわかりますか。


sizeretouchDSC_9296_2018061822004690d.jpg




もっと拡大してみましょう。


sizeretouchDSC_9299_201806182235167a2.jpg



というわけで、今日は昼間はずっとセトウチマイマイの歯舌とのお見合いでした。


明後日の広島ホームテレビの「5 up (ゴーアップ)」の中の、地球派宣言で、
上の写真のどれかがおそらく使われるとおもいます。


ボツになるかもしれませんのであまり期待しないでごらんください。




カニの定位の研究 眼柄の動きがおもしろい

昨日の記事の続きです。

先日、中学生3人組が、

「イワガニ類は水槽に入れると、壁に背を向けるように位置取りしようとする。」

ということを明らかにしました。


昨日、ハクセンシオマネキ、チゴガニ、コメツキガにのいわゆるスナガニ類を
材料にして実験したところ、イワガニ類と真逆な結果が出ました。

つまり、壁に顔を向けるように位置取りするのです。


その実験の後、こんどは、斜面でどういう動きをするのか調べようということに
なりました。


高校の生物の教科書や副読本に、カエルを板の上に置き、傾けたらいったい
どうなるかっていう実験がありますよね。


カエルの場合は、前肢を伸ばしたり縮めたりすることで、頭とお尻を結んだ線を
できるだけ一定に保とうとするのです。

つまり、前の方向を下に傾けると前肢を伸ばして突っ張り、上に傾けると前肢を
曲げて頭を低くするのです。


じゃあ、カニたちはどうするんだろうというのが彼女らの疑問です。


その結果、微妙に脚を使って体の位置を立て直そうとしますが、
その動きはさほど大きくないことがわかりました。

そして、それよりもびっくりしたのは、なんと眼柄を常にできるだけ垂直に
立てたままにしようとするのです。

つまり、カニの正面の側を下に傾けると眼柄を後ろに寝かせようとし、上に向けると
眼柄を前に倒そうとするのです。

その結果、眼ペイは常にほぼ垂直に立ったままなのです。


写真も撮れましたので示しておきましょう。



まず水平の状態です。


drawsizeretouchDSC_9209.jpg



次に、床面を前に傾けたときの姿勢です。

眼柄は立っていますね。


drawsizeretouchDSC_9213.jpg



次は、床面を後ろに倒したときの状態です。

これもやはり眼柄はほぼ直立しています。


drawsizeretouchDSC_9205_20180617171344fc4.jpg


上の3枚はハクセンシオマネキで実験したときの写真ですが、
同様に実験を、コメツキガに、チゴガニでもやって、同じような結果を
得ました。


今後も他のスナガニ類に発展させていこうということになっています。


ちなみに、今回のこの眼柄の運動についてはこれまで、本や論文などで
見たことも聞いたこともないので、今後、本気で文献探しもしないと
いけません。

もし先行研究があればそれに従いますが、とりあえず、今のところは
「スナガニ類の眼柄定位」と仮に名称を付けておきたいとおもいます。


写真ではあまりインパクトはありませんが、実験にかかわった中学生は、
床の板を傾けたり戻したりしながら、「すごい、すごい。」ってけっこう
盛り上がっていました。


わたしも、実はけっこう驚いていたのでした。







| NEXT≫

プロフィール

スクーティスト

Author:スクーティスト
ブログ「スクーターで撮り歩き」にようこそ。
「ラボ・オルカ」、「スタジオ・オルカ フォトギャラリー」、
「広島干潟生物研究会」にもどうぞお越しください。

ようこそ SCOOTIST です
ようこそ、SCOOTIST です。

時々、ビッグスクーターにまたがって、中・四国の自然にひたりに出かけます。
小さな生き物たちの息吹が伝わったら幸いです。
日常のできごとも気ままに書いていきます。

カレンダー
05 | 2018/06 | 07
- - - - - 1 2
3 4 5 6 7 8 9
10 11 12 13 14 15 16
17 18 19 20 21 22 23
24 25 26 27 28 29 30
最新記事
最新コメント
最新トラックバック
月別アーカイブ
カテゴリ
これまでの閲覧者数
検索フォーム
ご意見・ご感想を
中・四国の自然や生き物情報、ドライブ情報もおまちしています。 ここにお書きになった内容は公開されません。

名前:
メール:
件名:
本文:

RSSリンクの表示
リンク
ブロとも申請フォーム

この人とブロともになる

QRコード
QR