カクベンケイの吸水毛

中2の男子たちがカニの脚の付け根の毛について
調査を進めています。

その結果、スナガニ、ハクセンシオマネキ、コメツキガニに、
地面から水を吸うためであろうとおもわれる毛の束があることを
発見しました。
これをわたしたちは吸水毛と呼んでいます。


先日、スナガニの毛を載せておきました。
金髪で、存在感のある毛の束でした。

愛読者の方から、きれいですねとメールをいただきました。


イワガニ類では、唯一カクベンケイガニがそれを持っていました。

このカクベンケイガニの毛は、あいにく金髪ではなく茶褐色ですので、
いまいち写真写りがパッとしません。

そこで、青い色素を吸い込ませて撮ってみました。

これです。


sizeletterretouchNew-Out99999_99998.jpg


第Ⅰ歩脚と第Ⅱ歩脚の間の付け根にあるだけでなく、なんと
第Ⅱ歩脚と第Ⅲ歩脚の間にもあったのです。


この毛の束に、ティッシュでこよりを作ってなんども触れて水を切ろうと
しましたが、結局時間のロスでした。

おそらく、体内の水がこの毛に直結しており、少々のことでは毛が乾燥
しない仕組みになっていることでしょう。

さて、イワガニ類のなかで唯一カクベンケイガニが吸水毛を持っているのは
いったいなぜなのでしょうか。

中学2年生の3人と謎解きをしていきたいとおもっています。




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各地の海水の比重と塩分濃度

昨日の続きです。
昨日のグラフをもとにお話しを進めたいのですが、そのグラフが画面に
ないとわかりづらいので、再度掲載しておきたいとおもいます。

これです。


各地の海水結果拡大


これを見ながら、中1の男子とわたしがあれこれ議論したことを彼が書き留めた
ものがあります。それをもとに、述べてみたいとおもいます。


やや範囲を広くとった図(昨日の記事の中で2つ並んだグラフの上の方です。)
をみると、多少のばらつきがあるとはいえ、線形近似曲線を描いてみると、
27℃の真水のデータを含めてほぼこの直線上に点が並びました。

比重の換算値(温度補正した値)と塩分濃度は比例していました。
つまり、測定は正しく行われたと考えらます。

(パチパチパチ!)


しかし、点が集中している部分を拡大した図(上の図です。)では、
宮城県と沖縄の一カ所、太田川が、ほんの少し線形近似曲線からはずれて
いるように見えますね。

これは、塩分濃度屈折計が0.05%単位でしか読み取れないことと、境界線が
ぼけているための読み取り誤差であると考えらます。

ここは大目に見ていただきたいとおもいます。


このグラフから、点の集まりに3つの大きなグループがあることがわかりました。


1つ目は塩分濃度の濃いグループで、沖縄県の2つの地点(両方とも恩納村ですが
採取日が2日ほど異なります)と、フィリピンのパングラオ島、それに島根県松江市
美保関町七類です。

七類以外は南の海であり、海水の蒸発にともなって塩分濃度が上がって
いるから高いのではないかと考えられます。


七類は日本海ですが、実は海水の採集の際に、足場が悪くて沖合まで出られず、
やむなく大きなタイドプールのようなところで採取してしまいました。
これはわたしの反省です。

けっこう水をくむのも大変で、砂やゴミを混入させないためできるだけ沖の方の
水を汲みたいのですが、なかなかそれもできず、しかも波があると足元が
おぼつかなく、ほんとうに苦労します。
おそらく、海水をくんで来てくださったかたも、
「甘くみていた」
とお感じになっているとおもいます。


ともあれ、なぜ島根の海がフィリピン並みに濃かったのか?
それは、タイドプールのようなところでサンプリングしてしまったから
だったわけです。

日本海の海であっても、流れのない浅い場所では、真夏日の晴天の正午
前後には、うんと濃くなっていることがわかりました。

なお、世界の海の塩分濃度を見ると、やはり赤道付近の暖かい地方では
塩分濃度が高いことがわかります。



もう1つのグループは博多、宮城、太田川河口それに沖縄南城市新原ビーチです。
塩分濃度がおよそ3%ですから、ほぼ海水の平均値といえます。

塩分濃度が高いと予想した沖縄県のサンプルのうち、一つがこのグループに
入りました。
このサンプルは南城市新原ビーチのものです。このビーチの周辺には大きな川が
流れ込んでいないので河川水で薄められることは考えにくいのです。
いったいなぜなんだろうと考えました。

そういえば、海水を採取していただいた8月7日の前々日に勢力の強い台風5号が
ちょうど沖縄を通過していたことがわかりました。
その影響で沖縄南部の全域で降水量が増え、河川から大量に真水が
流入したのではないでしょうか。

真水は海水よりもかるく、海水と意外にも混ざりにくいので、海の表面を
流れて来て、それが採取されたのではないかと考えられます。


太田川放水路河口域の水もこのグループに入りました。
河口域と言っても、河口の地点から750mもさかのぼったところであり、
当然川の水の影響もモロニ受けているはずです。
なのに、これがこのグループに入りました。
予想以上に塩分濃度が濃かったわけですね。
これは、満潮時に合わせて採取したため、海の塩分濃度とほぼ同じになったと
考えられます。

博多は平均並みの濃度であり、宮城も平均並みでした。

宮城では、前に書いたように塩分濃度に比べて比重の値が
やや低く出ました。また太田川放水路では逆に高く出ました。
この理由はよくわかりません。測定の誤差だろうとおもわれます。


2つのグループから大きくはずれたのが京都の海水です。
この採取地点は舞鶴市神崎の海水浴場で、このすぐ近くには一級河川の
由良川が流れ込んでおり、この平均流量は46.7㎥/sです。

この影響で海水が薄められているのではないかと考えました。


などなど、このグラフひとつで、いろいろなことが考えられ、知的好奇心を
満たしてくれますね。



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各地の海水の比重と塩分濃度

もともとは、中1の男子が、わたしがおそるおそる洗って乾燥させていた
比重ビンに興味をもったことから研究は始まりました。

この比重ビンは、もとはといえば、ある短大が閉校する際に、物品を
放出するという折りに知人の先生から声を掛けていただいて入手
したものです。

「これ、なんですか?」

「それ、比重ビン。」


比重びん


「へっ?」

以下延々と会話は続きますが、省略します。

ともかく、なぜか彼はたいへんに興味をもったのです。

そこで、これ、使ってみようとなりました。


興味をもっているということは強いですね。
あれよあれよという間に使い方をマスターしてしまいました。


サンプルの温度によって換算する必要があり、これについては
けっこう理解するのに手こずったようですが、いまのところおそらく
理解しきったとおもいます。

そこで、あれこれ調べようじゃないかってことになり、わたしも山陰の
水を持ち帰ることにして協力しました。

それ以上にお母さんの人脈によって、各地の海水が集まりました。
正確に言うと、いまも集まりつつあります。


途中経過です。

塩分濃度も測定していますので、その値を横軸に、そして比重を縦軸に
とっています。

ほぼ一直線上に点が並んでいますので、測定方法は誤ってはいなかった
ことがわかります。

よくやったと誉めてやりたいですね。

各地の海水結果



さて、点が密集したところを拡大したのが、次の図です。


各地の海水結果拡大


いやー、このグラフから、面白いことがいろいろわかりました。

明日、そのことについて、触れてみたいとおもいます。

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海水の集まり具合

中1の男子が1人で海水の塩分濃度と比重をひたすら測定して
います。

いろいろなことがわかりかけてきました。

そのお話をする前に、海水の集まり状況を地図で示しておきましょう。
この中には、これから採ってきていただく予定の海水も含まれています。


size採水場所マップ


南九州、四国のサンプルがないのですが、まあ、これは来年にむけての
課題としておけばいいでしょう。


瀬戸内海各地のデータもほしいところですね。

とはいえ、言うは易く行うは難しで、広い広い海の水をあっちからこっちまで
いったいどうしたら集まるのか。

フェリーに乗って時々ロープを付けたバケツを海に放り込んで集めるのも
いいかもしれませんね。

こういったことを考えるのも楽しいですね。


沖縄のサンプルが4つも集まりました。これにはびっくり。
しかも、ほぼ同じ場所でありながらデータが違ったり、
台風の後のサンプルではうんと塩分濃度が低かったりと、
なかなか面白い結果が出つつあります。


また、外国のサンプルが含まれることで、世界を対象として研究
しているようでちょっとかっこいいですね。

フィリピンの水は小3の女の子が持ち帰ってくれました。

暑い地域は塩分濃度が高いと予想していたとおり、測定してみると
やはり高い値がでました。


たった120mlの水を入手することで、塩分濃度と比重を出すことができ、
そのデータを比較したり、予想と合わせて考えてみたり、なかなか
探究心をくすぐる研究です。


お礼の葉書を出しながら、「こんどはできたレポートも作ってあげなければ。」
と、なかなか急がしい夏休みを送っているようです。



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大発見、ハクセンシオマネキの吸水毛

中学生たちと、干潟のカニについて観察しています。

先日、カクベンケイガニの脚の付け根にある毛の束を
顕微鏡で見たところ、羽状の毛で構成されていることが
わかり、いままで見たことも聞いたことがなかったので、「大発見」との
タイトルで載せました。

この毛を地面の湿った土に付けて(あるいは差し込んで?)水分を吸収し、
体内の鰓をうるおして呼吸に役立てているのではないかという
仮説をもっています。


今回は、ハクセンシオマネキです。

カクベンケイのように脚の付け根に毛の束があり、この毛を顕微鏡で
見たところ、まったく違う形であることが判明。

またまた「大発見」のフレーズをつかわせてもらいました。


sizeretouchDSC_4082_20170811005008b73.jpg


sizeretouchDSC_4077.jpg



これです。

なんと、1本1本にくびれがあり、それが束になっていたのです。


いずれにしても、毛のすき間に細かい空間をたくさんつくり、毛細管現象で
水を吸い上げるのに適した形態ですね。


おもしろくなってきました。
こうなると、コメツキガニ、スナガニがどんな吸水毛をもっているのか
気になるところですね。

どうぞおたのしみに。


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