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科学研究で入賞するためには

9月2日3日の記事の続きです。

苦労して進めてきた科学研究。
ぜひとも賞をとらせたいところですね。


そのためには、どうすればよいか。

ひとことでいえば、「しっかり書いて、すっきり見せる。」


そのためには、いくつかのコツ?があります。


まずその1は、「型」ですね。

1 研究をはじめたわけ、きっかけ(動機)

2 研究(実験、あるいは観察)のしかた(方法)

3 研究(実験、あるいは観察)の結果

4 研究(実験、あるいは観察)の結果からわかったこと(考察)

5 参考にした本やサイト

6 感想

この順番が書きやすいとおもいます。
見る方も見やすくて歓迎ですね。

一番手こずるのが4、その次が1のようです。

4は、結果をどう解釈するかということですから、
3の段階で、結果を表とかグラフとかにしておくとまとめやすいですね。

それと、2のところ(場合によっては1のところ)で、結果の予想とそのわけをしっかり
書いておけば、4のところでその予想が裏付けられたのか、あるいはまったくちがったか、
といったところから書き出せます。

4の考察のところの文章の語尾は、たいがい
「と考えられる。」とか
「ということがわかった。」
となります。

問題は、1の研究の動機です。

「○○に興味をもったから研究を始めた。」ではよくわかりません。
ここでは、しっかり書きましょう。

9月3日の記事にも書いたのですが、
「いつ、どこで、誰が、何を、どうしたか、どうやって?」が大事です。

余談ですが、わたしは、小学校の低学年の時、これを覚えさせられました。
いまだに覚えていて、いったいどれくらいこれまでの人生で助けられたことか。
1年から3年まで担任をしていただいた吾郷房枝先生のおかげです。
その後、5W1Hなんてことを知りましたが、ぜったい日本語でそらんじておくべきです。

さて、原則この順にしたがって書き出し、そのあとで、こんなことに疑問をもったとか、
なぜこうなんだろうといったこと、さらには、きっとこうではないかとぼくは思う、
なんて書ければいいですね。

「わたしの予想」は、1 動機のところで書いてもいいし、2の研究の方法のあとが書きやすい
こともあります。

この「予想」が書いてあれば、前にも書いたように「考察」が書きやすいです。

予想というのは事前の考察ですから、予想どおりの結果であれば、予想の
ところで書いたことを繰り返して、

「予想どおりの結果になったので、、、と考えていたことが正しいことがわかった。」

と結べることができます。

予想と違った場合、がっかりしてはいけません。
むしろ思考を広げるチャンスです。

なぜ予想と違ったのか、いろいろ考えてみましょう。
近場の大人たちにヒントをもらってもいいでしょうね。
そして、時間をみつけて、新しい予想を立ててそれを裏付けるような
研究に発展させたらいいでしょう。


先日、ある親子が日記のような作品をもって相談においでになりました。
実に丹念に観察し、よくまとめてありました。たくさんのデータもあります。
しかし、あくまでもこれでは日記です。

「型」についてじっくりとお話しし、それに当てはめるように
書かれたらいいと助言しました。
そして、日記部分は捨てずに、最後に資料として付録でつけたらいいと
お伝えしました。

翌週にはまとめなおして持ってこられました。
見違えるほどすっきりとした作品になったのでした。


さて、入賞のコツ、その2です。

実験や観察の結果をできるだけ数値化させることを考えましょう。

ただたんに測定した数字を挙げるのでは、あまり意味がありません。

何かに関連づけたデータが欲しいところです。

ある測定値が、1時間ごとに、1日ごとに、あるいは1月ごとにどう変わったかとか、
ある値をしだいに変えてみたら、別の値がこう変わったとか。

下はその例で、カイコの体重、体長を毎日測定したデータです。

測定データの例


こういうデータが得られたら、一方をX軸に、他方をY軸にしたグラフが書けます。
そして、このグラフをじっくり見て、考察につなげるのです。
グラフがあると、考察がじつに楽に書けます。

下はその例で、飼育環境を変えて育てたカイコの体長の変化を表しています。
X軸は、マユになる日から逆算した日数となっています。

測定結果のグラフ化

上の表とグラフは、小5女子、小3男子のきょうだいが今年行った共同研究から
引用させていただきました。


入賞のコツ、その3は、ボリュームです。

たとえば、学校の理科の授業で行った1時間の実験で、きちんとデータをとれば、
コツ1、コツ2を満足させるレポートが完成します。
でも、これでは、入賞しませんね。
レポート用紙1,2枚の作品では、やはり訴えるものがありません。

実験や観察を進めれば、何か疑問がわいてくるものです。
それに次々と取り組んでいく姿勢と、その結果がほしいところです。

そのストーリーが「研究のきっかけ(動機)」に書いてあれば、
読者や審査員をきっと引きつけるでしょう。

ちなみに、上の表と図を書いたきょうだいの作品は、ちょうど100ページの
大作です。
ずっしりと重みがあり、中身を見ないでもよくやったなあという印象をあたえます。


その4は、音読してみること。

文章を書きあげたときは、達成感にひたり、ふーと一息入れたいところですが、
もうひとふんばりです。
親子で声に出して読んでみてください。

きっと、主語がなくて意味不明、述語がどの主語に係るかわからない、
同じことを何度も書いている、などの不備がたくさん発見できます。
また、誤字・脱字のチェックもここでします。
とくに、単位を間違えていたり、表や図の番号を間違えていたりといったことは
よくあります。

せっかく一生懸命まとめたのに、誤りだらけでは、読む人の意欲を減退させます。


こういった観点で取り組まれたらいいとおもいます。

どうせ作品を提出するのなら、ちょっとしたコツを生かしてぜひとも入賞をめざしてください。
受賞するとしないとでは、大違いです。

そして、受賞を機に、さらに来年度への意欲へとつなげていただきたいと
おもいます。


科学研究は、ほんとうにすごく教育効果のある営みなのですから。


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