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高校生によるイシマキガイの観察

女子高校生の2人組がイシマキガイを研究しています。

イシマキガイの紹介を兼ねて、彼女の研究の動機のところを転載しておきます。


 イシマキガイは黒っぽくて半球形をしており、感潮河川の上流部に生息している
2cmほどの巻貝である。ごく普通種であり、生息域に出かけるとたくさん石に巻き
付いているのが見られる。
ところが少し変わったところがある。ちょっと列挙してみよう。

①必ず石に付着していて、砂地や泥地では一切見られない。
②感潮域では、海に近いところには生息しておらず、上流部つまりマガキの
上限付近から上流に限ってみられる。
③海水がまったく上がってこない淡水域にも生息している。
④熱帯魚の水槽に入れるとガラスの壁に着く藻類を食べてくれるので、
アクアリストに重宝されている。
⑤アクアリストはみんな知っているように、白いゴマ粒のような卵のうを石や
ガラス面に産み付ける。
⑥アクアリストはみんな知っているように、その卵は一匹も孵化しない。

このようなユニークな生態を干潟観察会で講師から聞き興味を持ち、実際に
手に取ってみてかわいかったことから、研究対象に選んだ。

さっそく文献を当たってみたところ、生息域の調査に関する文献は極めて多く、
ほぼ研究し尽くされている印象を受けた。
しかしよく見ると、寿命は1年であったり3年であったり、分布が塩分濃度と関係
しているらしいが詳しいことは研究者によってまちまちであったり、さらには、
発生の様子についての文献は少なかったうえに、なぜ淡水でふ化しないのかは
全く書かれていなかった。

そこで私たちはまずイシマキガイの寿命が何年なのかを調べようと計画を立てた。
そして生息地で卵のうが産み付けられたら持ち帰り、実験的に環境を変えてみる
などして発生の様子を調べることにした。
これらのことから、イシマキガイがなぜ淡水でふ化しないか、海域でふ化するのなら、
その幼生または稚貝がどのようにして感潮域の上流部や淡水域に遡上できるのか、
明らかにしようと考えた。

ということで、その実験の様子を紹介しておきます。


長い筒を三つ用意し、一つは水道水、もう一つは煮沸水、つまり酸素が飛んで行ってしまって
貧酸素状態の水、そしてもう一つはエアレーションをして酸素がしっかりある水です。

これが実験開始前の状態。


sizetrimretouchDSC_0760.jpg


そして、これが実験後の様子です。


sizetrimretouchDSC_0792.jpg


エアレーションした方は、ほとんど移動せず、下の方にちゃんととどまって
いました。居心地がいいと判断してもいいとおもいます。

一方、左の水道水の方は上に上がったものもいれば、下にとどまっている
ものもいます。
大きい個体が上に動いているようです。

ところが、真ん中の煮沸水、つまり貧酸素の水ではすべての個体が水面に
移動しました。

酸素が不足したと思われます。

イシマキガイがよどみのある所にはほどんど見られず、流れのあるところに
だけ棲んでいるのは、やはり十分な酸素を必要としているからなのでしょう。

簡単な実験ですが、こんなにはっきりと結果が別れるとは思いませんでした。


生きものにとって酸素って重要なんですね。


 
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