上流から下流がわずか60メートル

川は、山の中の源流とよばれるあたりから細流ではじまり、幾筋かの
細流が次々と合流しながらやがて本流となって平野部に出て、
ついには海に流れ込むのがオーソドックスな形です。

広島市のデルタは、いわゆる最下流域であり、もっと言えば、潮の干満の
影響を受ける「感潮域」でもあります。

ただし、広島市の太田川デルタは、その周囲に小高い丘が連なっています。

したがって、それらの丘を源流とする小河川は、場合によっては1キロメートルにも
満たない短い河川であったりします。

そのうちのある小河川を見ると、全長が800メートルほどで、その末端が太田川の
感潮域に注いでいます。
その河川の末端部を歩いてみて、おもしろいことに気づきました。

まず、写真をご覧ください。

これは、土手の樋門の真上から撮ったものです。
先に見えるのは太田川放水路で、右側が海の方向です。

sizeretouchRIMG0001.jpg

一方、これは同じ所を下流側から撮ったものです。

sizeretouchRIMG0002.jpg

写真だけではおわかりになりますまいが、樋門の直下の石の下には
清流にすむといわれる水生昆虫、プラナリア(ナミウズムシ)、カワニナ
などがたくさんいます。

また、アカテガニだけでなく、純淡水生のカニであるサワガニも棲んでいます。

つまり、一般河川の上流部がここに再現されています。

災害時の緊急道路の暗渠(あんきょ)を抜けると、水は蛇行し、淀みがあり、
イトトンボのヤゴもいますし、アメンボも棲んでいます。
なんとびっくりトノサマガエルもいたのです。
つまり、中流部や池が再現されています。
ガマも生えているのですから。

そして末端は、太田川放水路に注いでいます。
感潮域ですね。
フタバカクガニ、カクベンケイガニがいて、クロベンケイガニもいます。


つまり、樋門からわずか60メートルの間に、一般河川の上流部から
感潮域までが再現されているのです。

そしてそれぞれの特徴的な生物がちゃんと棲んでいます。

三段峡から広島まで何十キロメートルも歩かなくても、たった60メートルで、
上流部から感潮域が味わえるのです。

これって、けっこうすごいことだとおもうのです。

いつものようにだれも関心をもってくれないとはおもいますが、
わかる人にはわかるということで、記しておきたいとおもいます。



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この記事へのコメント

: 2014/08/05 (火) 06:55:19

すごいですね!

では、生き物にとって「上流中流下流」というのは、どういう違いなのでしょうかね。
高度や流れの緩急などではないということなのでしょうか?
うーむ、まったくわかりません。
が、大いに関心はあります(笑)。

スクーティスト : 2014/08/05 (火) 14:55:18

コメントありがとうございます。

「すごい」といっていただける方がいらっしゃるとは。

共感いただき、ありがとうございます。


生きものたちは、隙あらば生息範囲を広げようとしています。
仲間が増えれば窮屈になりますからね。

ただ、どこにでも広がれるかというとそうではなく、制限が
あります。

その制限は、塩分濃度などの水質であったり、気温や水温であったり、
エサの量、酸素量、敵から逃れられる環境、水流や波、
地盤、そして、それらの急激な変化などなど、いくつもの
条件をクリアして生活しているのです。きっと。

逆に言えば、棲んで繁殖できる条件さえ整っていれば、
広がれるということですね。

上流部に多く見られる生物は、上流部を知っているのではなく、
上流部の環境なら大丈夫ってことではないでしょうか。

下流部に多く見られる生物も、同様ですね。

ですから、水族館で展示しているのは、それぞれの環境を
模しているわけで、宮島の海辺の水族館でも三段峡に棲む
生き物を飼育できるわけです。

そうそう、わたしたちだって、水槽で、そうしてるじゃないですか。


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