よい科学研究作品とは

一昨日、昨日の続きです。

「考察」を「考察」らしく書くには、ちょいとコツがあります。

1 「結果」を、実験した順番にメモをとるような書き方で書くのではなく、
考察しやすいように整理してまとめなおす。

まず、結果の書き方ですが、せっかく数字でデータを得ているにもかかわらず、
日記風になっている場合があります。

これは、実験結果のメモであり、作品に入れる必要はありません。
このメモを整理して載せることが、人にも自分にもすっきりとわかりやすく
見てもらえるコツです。

時系列で得られたデータを載せた方がいい場合もあります。
整理した場合、元データとの関連がわかりづらくなる場合です。
このデータをこういう視点で変換してみるとこうなりましたといった具合に
挙げておくのがわかりやすい場合があるのです。

さて、具体的に見ていきましょう。

たとえば、ビタミンCの検出実験をやった際、ほとんどの子は、
やった順番に結果のところに書いていきます。

 リンゴでは何滴、ミカンでは何滴、ダイコン汁では何滴、、、、

たとえきれいな表にしてあっても、これは、実験のメモであり、このメモを上手に
整理したものを作品に載せるべきです。

具体的には、果物、野菜、調味料、ジュース、その他といった具合に
分類して一覧表にするのです。

さらにこの大分類を小分類するとますますわかりやすいでしょう。

果物は、柑橘類とそうでないものに分ける。
野菜は、色で分けるとか、根菜と葉野菜で分けるとか。
ジュースは果汁入りとそうでないもので分けるとか、レモン何個分と
書いてある物は別に整理するとか。
その他は、すっぱいかそうでないかとか。

表をもとに、グラフをつくると、さらに一目でわかるようになります。

このように整理しておくことで、たとえば次のように書くことができます。

「どの柑橘類の果物にもビタミンCが多く含まれていて、その量も、柑橘類でない
ものに比べてすごく多かったです。(ここまでは結果ですが、考察の導入として
考察のところにも書きます。)
そのわけは、どの柑橘類も、そうでない果物に対して、ビタミンCを自分で作り出して
果実に貯える働きが強いことが考えられ、それが柑橘類の共通した特徴であると
言えます。」

といった書き方です。

この、「そのわけは、、、、、、と考えられます。」は、使い勝手のよいフレーズです。


2 「予想」を当てずっぽうの勘で予想するのではなく、ある程度自分の考えをもとに
予想する。

そのために、本を参考にしてもいいし、試し実験をしてもいい。
その予想がいいと、それをもとに考察できるので、楽です。

ふたたびビタミンCの実験をたとえていうなら、子どもたちにビタミンCが
たくさん含まれているものを予想させると、あっという間に○×をつけます。

当てずっぽうですね。これがまったく役に立ちません。
それどころか、障害にもなりかねません。

この、予想を立てさせるとき、根拠をもとに考えさせておくと、あとが
楽です。

すっぱい果物とか、黄色い果物に多そうだとか、、、。
結果が出たら、その予想に従って、考察したらいいのです。

「わたしはすっぱい果物にビタミンCが多いと予想しました。それは
ビタミンCが多いと言われるレモンがすっぱいからです。
実際に測定してみたら、たしかにすっぱい果物に多かったです。
ただし、すっぱくない果物でもビタミンCが多いものもみつかり
ました。ですから、すっぱいこととビタミンCが多いことは、
必ずしも同じわけではないことがわかりました。」

黄色かどうかで予想を立てた子は、次のように発想が広がるでしょう。

「同じレモンでも、青いときと黄色くなった後では、ちがうのだろうか。」

このように、予想を立てるときに、すでに先を見通していれば、考察が
楽ですし、結果が出た時に課題が発見でき、次への研究の幅が広がります。
この課題は、今年できそうもない場合は、項を起こして、
「課題」として挙げておけばいいのです。


カニの巣穴の研究をした子がいます。

寒天で培地をつくり、もともと巣穴を作る性質をもったカニを何種類か
そこに入れてみました。

ところが、この培地では、巣穴を作らなかったカニがいました。

家族全員がギブアップ。

おととい、相談においでになりました。

もともとカニは、種類によって巣穴を掘る地盤の底質が決まっています。
砂地、砂泥地、泥地、固い地盤などです。
結果を見せてもらうと、寒天培地に巣穴を掘った種類は、すべて砂泥地にすむ
カニの種類と一致しています。

「そこにヒントがあるかも知れないねえ。」ということで考察が書けそうです。

実は、これは他の要因もあるように思えますが、とりあえずは宿題の締切には
間に合いそうです。

小さいうちから、こんな経験ができる家族はうらやましいですね。
家族みんなで考え、議論するわけですから。

きっと、この子は、論理的な思考が鍛えられるにちがいありません。


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この記事へのコメント

: 2014/08/29 (金) 18:47:43

先生が書かれると、ちょちょいのちょい、に思えますが
これがなかなか、難しいものですね。
いやいや、それを実際に形にして行くには、
その過程がどんなに大変か、ということは想像に難くないですが。

先日の「すごい」お母様のように、
先の組み立てまで見通して子どもを導ければいいのですが。
ときどき「すごい」お母様かお父様が指導されたに違いない研究をおみかけすると
自分をふりかえって「は〜(>_<)」ってなります。

が、
まずはわが子達については、
「すごい先生」に出会えたので、よしとしましょう(^^)
私自身が子どもの頃に、こういう機会をいただいていたら
違う道があったかもしれないなあ・・・・と
ときどきわが子達が妬ましくなります(笑)。

スクーティスト : 2014/08/29 (金) 19:57:22

コメントありがとうございます。

保護者の支援はある程度は必要ですね。

保護者がかかわると、最初のうちは、ほとんどが「親の作品」に
なってしまいます。

清書だけ子どもがしたとか。

ただ、保護者も2年、3年と手伝っていると、しだいに
手加減がわかってきます。
それに随伴して子どもも成長してきていますので、年を追うごとに
バランスのよい指導になるような傾向にあります。

中学でこそ、子どもたちといろいろ議論してほしいところですが、
保護者はリタイアされますね。

わたしは長年やってきていますが、なかなかチョチョイのちょいとは
いかず、いつまでたっても研鑽の身です。

ただ、一つだけ他より優れたことがあります。

これまで科学研究に取り組んだ子どもたちが、自分の作品をコピーして
プレゼントしてくれています。それをすべて保存し、いつでも
見られるようにおります。

これを新人の子に見せて刺激したり、書き方を学ばせたりすることが
できるのです。
これは、大きいですね。


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