ワラジムシ

このワラジムシが、サンインハヤシワラジムシであろうという
結論になったわけを、これから述べることにしましょう。


ワラジムシ尾部


検索図を用いて検索していきます。

その図は、「日本産土壌動物検索図説」(東海大学出版会)に載っています。

頭の形、触角の先端の鞭の節の数、お尻の形などを注意深く観察しながら、
進めていくのです。

これを同定作業といいます。

まず、体を丸くできるかどうか。   できない。

触角の鞭は2節か3節か。  2節。

腹肢の白体(偽気管)は2対か5対か。  5対。
この段階で、トウヨウワラジムシ科に決定できました。


続いて、頭部側方の突起は強く張り出すかどうか。  張り出す。
この段階で、ハヤシワラジムシ属に決定です。


第一胸節の後側方ははっきりしたくぼみがあるかないか。  ある。

第二触角の鞭の2つの節はほぼ同じ長さか異なるか。  ほぼ同じ。

体は体長の1.8倍以下か、2倍以上か。  2倍以上。

腹尾節側縁に明らかなへこみがあるかまっすぐか。  まっすぐ。

これが、上の写真のおしりの部分、つまりホームベースの形をしたところ
です。



複眼は14個眼以上からなるか、6個眼からなるか。  14個眼以上。

この段階で、キシュウハヤシワラジムシかサンインハヤシワラジムシかの
いずれかであることになりました。


ここで問題発生です。

このワラジムシが、このどちらかであるかは、背中の剛毛の位置で区別するように
なっていますが、双眼実体顕微鏡でピントをずらしながら何度みても、
剛毛がないのです。

剛毛どころか、細毛すらありません。

途中で間違えたのかとおもい、何度も検索図のもとの方にもどってチェック
しなおすのですが、ここまでは間違いないはず。

幸い、両種の区別点がもうひとつありました。

雄の第一腹肢外肢先端に明瞭なくぼみがあるかどうか。  ある。


ということで、サンインハヤシワラジムシというところに落ち着きました。

しかし、剛毛がまったく見られないのはどうしても合点がいかず、
正式な同定ではなく、仮にそうしておき、たくさん個体数が集まったら
またじっくり見ようということになりました。

すっきりしなくて残念ですが、中学生たちは、こういう方法で種名を
同定していくということを学びました。


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