鏡の不思議

「鏡ってどんなふうに映るの?」

って聞くと、相手が小学生であれ、大学生であれ、一般の方であれ、
ほとんどの方が、

「逆さまに映る。」

と答えます。

昨日も、小学校の低・中学年の子たちが「ハイ!」「ハイ!」「ハイ!」っと
一斉に手を挙げ、

「ひっくり返って映ります。」

「逆さまに映る。」

「逆です、逆、ぜったいに逆!」

などと答えてくれました。


意地悪なわたしは、揺さぶりをかけます。

「ええっー、ほんと? じゃあ、上の物は下に映る?」


ここで、多くの子がいったんたじろぎます。

「むむむ、いや上のものは上に映ってるよねえ。」

しかしこれくらいで子どもたちを説得することはできません。

なんとか対抗しようとする子が現れます。

「でも、右にあるものはわたしの左に映ってるし、左のものは右に映ってるし、、、。」

でもちょっと不安げです。


別の子も、

「そうそう、右手を挙げると鏡の中のわたしは左手を挙げてるじゃん。」

他の子もそれに勢いを得て、

「そうだ、そうだ。」と賛同の嵐。


さらに、男子が鏡の前に立ってわたしに追い打ちを掛けます。

「鏡の中では文字や数字が逆さになってるし。」

などと、どんどん勢いを得て、子ども軍団はさらにわたしを畳み込もうとします。


用意した手鏡をかざして、「見て、見て。時計だってほら、逆さになってるでしょ。」

「ほらね」、「やっぱり」という声が聞こえてきます。


もうこうなると、全員、満面の笑みですね。


最底辺に落とされたわたしはここから子どもらを説得しなければなりません。

「じゃあ、右手をグー、左手をパーにして鏡の前に立ってごらん。
鏡の中の自分のグーは、どっちにある?」

「左手がグーだよね。あれっ、左手がグーなのに右側にあるよ。」


しばし混乱が続きます。

「でも、時計の文字盤は逆じゃん。」


ここでいよいよわたしの逆襲です。

「ほんとうに逆?よく見てごらん。
鏡の中の像は、上の方の物は上にあるし、下の物は下にあるでしょ。
右の物は右にあるし、左の物は左にあるよ。」

「むむむ。」

といったやりとりをやったあげく、右と左が逆になっているように
見えるのが本当かなあと投げ入れます。

「右手を挙げたら、鏡の中では左手を挙げているように見えるのは
まちがいないよ。でも、ほんとうにそれは左手かな?

鏡の中の自分の立場になってしまってついつい考えているから
左手を挙げているように見えるわけで、実際にはよく見てごらん、右手だよね。

さっき、右手のグーを映したら、左手のように見えたけど
ほんとうの左手はパーだからね。」


全員が渡された鏡の中の自分を見て、グーとかパーとかしながら当分
考え込んでしまいます。
中には、鏡の自分とじゃんけんを始める子もいますが、まあいいでしょう。


「わかった。鏡の中に自分の気持ちが入ってしまうとおかしくなるんだ。」

「じゃあ、時計の文字盤はどうして逆のままなの?」

などなど。


ここらで種明かしですね。

「まず、自分が写った写真を想像してみよう。そのバックには時計や
カレンダーなどがあるといいね。」

「ふむふむ。」


「その写真を白い紙ではなく、透明なシートに焼き付けたとしましょう。

そしてその写真を裏側からみたらどうなるかな。」

しばらくして、


「わかったーーー。」

「裏から見ているんだー。」

「だから時計の文字盤は逆さまではなくて、裏がえした文字を見てるんだ。」

これがわかれば、大成功。


鏡の不思議


写真を手に持って180°回転させて上下を逆さまにしたら、天地左右が
逆になります。
これが普通に言うところの逆さまですね。

顕微鏡で見る像や普通の天体望遠鏡で見る像はまさにその天地左右が
逆さまです。


ところが、鏡の像は逆さまではなく、裏写りしている画像(虚像)を
見ていることになります。

この違いは、似ているようでまったくちがう概念で、こういった概念を、
あいまいにせず、できるだけ小さい時から鍛えたいというのがわたしの
ねらいなのです。

楽しみながら。




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この記事へのコメント

yottie_attie : 2017/07/19 (水) 20:47:33

私も迷いなく、「逆さまにうつります。」と答えてしまいます。
最後の方のくだりでは、「なるほど!」と納得してしまいました。
鏡にこんな見方があるなんて、何気ないものも見方を変えるとおもしろく思えました。

スクーティスト : 2017/07/19 (水) 20:58:44

コメントありがとうございます。

何気なく見ている鏡ですが、けっこう不思議ですよね。
それと、逆さまという言葉もけっこういろいろな意味に使われて
いますね。
また、ヒトは左右対称ですから、自分が鏡の向こうにいると
考えてしまい、左と右を取り違えたりしますね。

今日もその続きです。幾分お遊び感覚になりますが、
いまから書きますので、お読みいただくとありがたいです。

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