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ウミホタル観察会の仕掛け

またまたしつこくウミホタル観察会の記事です。

今回の観察会には、仕掛けがありました。

もちろん、ウミホタルを捕るためのトラップも仕掛けといえば仕掛けです。

ただ、そういった目に見える仕掛けではない仕掛けも隠しておきました。
この仕掛けは、一口でいえば、うかつに挑戦すると失敗しそうな仕掛けや
うまくいったらそこそこ感動できる仕掛けです。


一つ目の隠れた仕掛けは、トラップづくり。

事務局では貸し出し用のトラップをいっさい準備していません。
毎回そうです。

参加者が各自で作って持ってきてもらいそれを使って挑戦してもらいます。



材料の調達は比較的簡単ですね。インスタントコーヒーのビンが最適です。
これはほとんどの家庭にあるとおもわれます。
大きければ大きいほどたくさん採れます。


【課 題】 お徳用の大きなビンがない。

【アイデア】 小さいビンでも数を増やせばいいのでは。
あるファミリーは、小さいビンをひもでいくつも連結し、はえなわのようにして
おられました。あっぱれです。



ビンが入手できたところで、ふたに直径5ミリほどの孔をあけなければ
なりません。

【課 題】 ふたに孔をあけるにはどうすればよいのか。

【アイデア】 電動ドリルがあれば、解決ですね。

ただ、一般家庭にはほとんどないと思われます。

そこで、事務局に持ち込めば孔をあけて差し上げましょうという助け舟を
出しておきました。

実際には「なんとか自力で挑戦した。」 という方が多かったのです。

太い釘と金づちで頑張ったという方がおられました。金属のふたの場合は
それでいいのですが、プラスチックのふただと割れてしまいます。

そこで、まずキリを用いて下穴をあけておき、その穴をじわりじわりと拡げて
いったり、あるいは、針金を真っ赤になるまで熱しておいてふたに刺して
ブスブスと溶かして孔をあけたり、いろいろと工夫がみられました。

見栄えはあまりよくなくても、自力で解決した方は、あっぱれです。



「インスタントコーヒー飲みません。」という相談もありました。


【課 題】 ビンがない。

【アイデア】 100円ショップに出かけることになります。

ガラス製とプラスチック製があります。

軽いし割れにくいという理由で、ふたも胴体もプラスチックでできた製品を
買ってしまいがち。
ですが、これがやっかいなのです。

ただでさえ浮力の大きい海水に投げ込み、これを海底に沈めこまなければ
なりません。
その状況を予想できた方は、ガラスの方を選ぶようになりますね。


とはいえ、プラスチック製でも、中に石などのおもりを入れたら大丈夫ですから、
あながち間違いとはいえません。

確かに割れにくいし軽いし、加工しやすし、滑りにくいのはメリットですから。



さあビンはできた、次はひもですね。


【課 題】 ひもをどう結ぶか。

【アイデア】 当日ひもがゆるんでビンを海底に残してしまったファミリーが
ありました。
たかがひもといえども、なめてかかったらいかんということですね。


ひもをビンの口元のくびれに巻いて結ぶか、ふたの孔を通して結ぶかの
二択問題です。

ビンの口元のくびれに結ぶと、少し緩んだだけでつるんとビンが抜けて
しまうので、ふたの孔を通して結ぶ方法がいいのです。
テキストにもその方法を示しています。


sizeうみほたるホイホイ


ただ、これにも欠点があり、金属のふたの場合、ひもが穴のバリでこすれ、
切れてしまうことがあるのです。

使い分けが大事ですね。


それと、ひもの結びかたについては「もやい結び」が最適ですが、まあこれは訓練が
必要ですので、ここではパスします。



トラップができたら、エサを調達することになります。

【課 題】 エサはなにを選ぶか。

【アイデア】 ウミホタルを呼び込むわけですから、匂いが強い方が
いいことはなんとなくわかります。
インターネットで調べた方もいらっしゃるでしょう。

さきイカ、かまぼこ、魚のアラ、チーズなどが載っていますね。


結論からいえば、今回ベストだったのはアンチョビーでした。
匂いがよく広がったのでしょう。
いやというほどウミホタルが捕れました。


そして意外なものにも集まりました。

実は、早めに現地に来て釣りを楽しんでおられたご夫婦が1組。
ウミホタル用のエサを持ってくるのを忘れたとのこと。

そこで、釣りで残ったわずかばかりのゴカイをビンに入れて開始。

これがなんと大収穫だったのです。

ウミホタルは腐肉食性とよくいわれていますが、そういつもいつも魚の死体が
近くにあるわけではありません。
そんなときには、生きたゴカイを襲って食べている事実が分かっています。

つまり、ウミホタルたちは、ゴカイの動きとか匂いとかをキャッチする能力が
あるということですね。

ですから、日ごろ嗅ぎ慣れないものに警戒していたウミホタルたちも、たとえ量は
少なくても日常的に接しているゴカイが落ちてきたわけですから、迷わずそっちに
集まったのではないでしょうか。

結果的にウミホタルの習性をうまく利用したということになりますね。

これには、わたしもおもわずうなりましたね。


計画的にアンチョビーを仕掛けた方と、運よくゴカイを試した方は、あっぱれです。



エサを入れたトラップができたら、それを設置することになります。


【課 題】 海に投げても沈んでくれない。

ということをまずどの方も経験することになります。

たとえガラスのビンでも水面に投げただけでは沈みません。


【アイデア】 事前に水をたっぷり入れてからゆっくり水面に下ろすと
トラップは静かに沈んでいきます。

あるいはトラップが斜めになるようにして水面をしばらく引くと次第に水が
入っていきます。

こんな些細なことでも、実際やってみて初めて気づくのです。
そして、子どもたちにはその解決策を自分で考えさせたり実際にやらせて
みることが大事です。


当日は時間の節約のため、このことは解説してしまいましたが、本当は
黙っていた方がよかったのかもしれません。



めでたく全員がトラップを設置し、しばらく他の行事をこなし、1時間ほどののちに
回収します。

このワクワク感、子どもならずとも体験したいですね。


【課 題】 先生、これ捕れていますか?

【アイデア】 ウミホタルは昆虫のホタルと違ってふだんは光を発していません。

敵に襲われたときの危険信号として、あるいは繁殖のための信号として
発光するのです。

ウミホタルたちは狭いビンの中とはいえ、おいしいエサで満たされていますので、
危険でもないし、いますぐ繁殖しようとも思っていません。ですからビンをゆっくりと
引き上げただけでは発光しないのです。

そうです、刺激が必要なのです。
高校や科学館での実験では、電気で刺激して発光させます。

ビンを揺さぶったりしてもいまいちでしたね。
地面に流すという荒業もありますが、ウミホタルが死んでしまいますので
子どもたちには残酷です。

そこで、ビンの中身をごっそりできるだけ遠くの水面に投げてみてもらいました。
お父さんの出番です。

これは毎年効果抜群で、水面がこの世のものともおもえないほど青白く
美しく光るのです。

大人も子どもも、「おーーー」、「きゃーーー」でした。


かくして、据え膳上げ膳のお試しセットを全く用意しない観察会でしたが、
楽しみながら、そして悩みながら準備をしていただいて、おかげさまで
多数の方の参加を得ることができました。


各自で準備していただくことで、親子のやりとりの場になったでしょうし、
子どもにとっては貴重な体験の場になったことでしょう。

ビンを海底に残してしまったという失敗を体験したのも、ある意味ではいいことです。
なぜ失敗したのか、どうしたら今度はうまくいくのか、他の人はどうしてるのかを
考える機会になったからです。


この子には、見ず知らずのお母さんからその場でフォローがありました。

「ウミホタルたちにエサだけでなく、おうちもプレゼントしたのよね。」


これが今回の最大のあっぱれだったかもしれません。




 

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